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第2話 社長の好意

ผู้เขียน: さぶれ-SABURE-
last update วันที่เผยแพร่: 2026-08-30 11:56:49

「……わかりました」

「よろしい」

 瓢社長がほんの少し笑った。

「送ります」

「え?」

「ちょうど外出予定があります。まず病院へ行きましょう」

「そんな、社長にそこまでしていただくわけには……」

「では、一人で病院へ行けますか?」

「…………」

「行けませんね」

「……はい」

 完全に見透かされている。

「遠慮しないでください」

 その言葉が、不思議なくらい胸に沁みた。

 前の人生では、誰にも頼れなかった。

 いや、違う。

 私は誰にも頼ろうとしなかった。

 だったら二度目の人生は、もっと違う自分で生きてみたい。

 陽奈との生活を、やり直せる。

 これはきっと、陽奈を大事にしなさいという神様からの警告なんだ。

 社長に病院へ連れて行ってもらうと、診断は夏風邪と過労だった。

 点滴を受けて少し休むと、ずいぶん身体が楽になった。

「相沢さん」

 病室を出ると、わかりやすい場所に社長が座っていた。

「えっ、もしかして、待っててくださったのですか!? お仕事は!?」

「いえ、ちょうど相手がキャンセルを申し出ましたので、予定が空いたのです」

 ……本当かな?

 

「相沢さんは、確かお子さんがいましたよね」

「はい。四歳の娘がいます」

「保育園ですか?」

「はい。これから迎えに行きます」

「送りましょう」

「えっ」

「そのために待っていました。社員が困っているのに、見捨てさせるつもりですか?」

「……ありがとうございます」

 前の人生では知らなかった。この人って、こんなに優しかったんだ。

 瓢社長の車で保育園へ向かう。

「ママー!」

 陽奈は、私の姿を見るなり園庭から走ってきてくれた。

 陽奈。

 生きている。元気に走っている。

「陽奈……!」

 気づけば私はその小さな身体を強く抱きしめていた。

「ママ?」

「陽奈……陽奈……!」

「ママ、いたいよぉ」

「あっ、ごめんね!」

 慌てて力を緩める。

 でも、涙は止まらなかった。

「ママ、ないてるの?」

「ごめんね……これは、嬉しいの」

「どうして?」

「陽奈に会えたから」

「へんなママー」

 陽奈が笑った。

 その笑顔を見ただけで、また涙が出そうになる。

 もう二度と、この子を残して死んだりしない。

「ママ、このおじさん、だれ?」

「ママの会社の社長さんよ」

 陽奈が瓢社長を見上げた。

「しゃちょうさん?」

「こんにちは、陽奈ちゃん」

 瓢社長は膝を折り、陽奈と同じ高さまで目線を下げた。

「ママを病院へ連れて行ったから、今日は一緒に迎えに来たんだ」

「ママ、びょうきなの?」

「もう大丈夫だよ」

「しゃちょうさんが、なおしてくれたの?」

「僕じゃなくてお医者さんが――」

「しゃちょうさん、ママをなおしてくれてありがとう!」

 ぺこり。

 陽奈が頭を下げた。

「……どういたしまして」

 瓢社長の表情が柔らかくなる。

 その顔を見て驚いた。

 会社では見たことのない顔。というのも、彼はネオリンクカンパニーの代表を務めている。一般社員の私達とは関わることがほとんどない。

 遠目に見ても、いつも難しい顔をしていたイメージしかない。

 そして、もっと驚いたことが起きた。

「あら、陽奈ちゃんママ」

 迎えに来ていたママ友が、私と瓢社長を交互に見る。

「もしかして……新しい旦那様?」

「違います!!」

 思わず即答した。

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